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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科38巻10号

2010年10月発行

文献概要

コラム:医事法の扉

第54回 「頭部外傷」

著者: 福永篤志1 河瀬斌1

所属機関: 1国家公務員共済組合連合会立川病院脳神経外科 2慶應義塾大学医学部脳神経外科

ページ範囲:P.960 - P.960

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 頭部外傷は,特に急性期診療における画像検査,読影・結果説明,指導内容,経過観察,そして手術に関する説明についてそれぞれ問題となります.

 まず交通事故で頭部を打撲した6歳の男児に対し,頭部単純X線のみを施行し,「何か変わったことがあれば来院するように」などの一般的指示をしただけで帰宅させ,その夜,急性硬膜外血腫で死亡したケースがあります.最高裁は「療養指導義務」(医師法23条参照)について,「症状を具体的に説明し,事故後少なくとも6時間以上は慎重な経過観察と,前記症状の疑いが発見されたときには直ちに医師の診察を受ける必要があること等を教示,指導すべき義務」があると判示しています(平成13年3月13日判決)1)

参考文献

1)福永篤志,河瀬 斌:第4回「療養指導義務」.No Shinkei Geka 34:869, 2006
2)福永篤志,河瀬 斌:第2回「説明義務」.No Shinkei Geka 34:625, 2006
3)加藤良夫:頭蓋骨陥没骨折開頭手術と説明義務.医事法判例百選,pp114-116, 2006
4)鈴木利廣:経過観察.医療過誤判例百選第二版,pp126-127, 1996

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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