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読者からの手紙
宮上光祐先生の「慢性硬膜下血腫に対する五苓散の有用性」の論文(37(8):765-770)について
著者: 中村紀夫1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学
ページ範囲:P.299 - P.300
文献購入ページに移動 1965年のある日,医局には数人の若手脳神経外科医が集まり,見知らぬ道に入り込んだような困惑した顔で,首を傾げていました.
当時教室では155例の慢性硬膜下血腫を経験していましたが,その中で脳神経外科手術を嫌がり,軽度から中等度の症状を持ったまま自己退院して自宅に帰った患者が6名あり,私達は「血腫が増大して病状が悪化し,やがて6例とも死亡しただろう」と思っていました.そこでそれぞれの家族にその後の話を聞こうと,埼玉県や東京都内の実家を探して訪れましたが,どの実家でも予想外の事実に腰を抜かしてしまいました.6名の全員が退院後何も治療はせずに自宅で休んでいましたが,やがてすっかり元気を取り戻し,筋肉労働を含む慢性硬膜下血腫の発生以前の職に復帰し,その後肝炎で死亡した1人を除き皆毎日元気に働いていたのです.
当時教室では155例の慢性硬膜下血腫を経験していましたが,その中で脳神経外科手術を嫌がり,軽度から中等度の症状を持ったまま自己退院して自宅に帰った患者が6名あり,私達は「血腫が増大して病状が悪化し,やがて6例とも死亡しただろう」と思っていました.そこでそれぞれの家族にその後の話を聞こうと,埼玉県や東京都内の実家を探して訪れましたが,どの実家でも予想外の事実に腰を抜かしてしまいました.6名の全員が退院後何も治療はせずに自宅で休んでいましたが,やがてすっかり元気を取り戻し,筋肉労働を含む慢性硬膜下血腫の発生以前の職に復帰し,その後肝炎で死亡した1人を除き皆毎日元気に働いていたのです.
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