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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科38巻4号

2010年04月発行

文献概要

コラム:医事法の扉

第48回 「安全配慮義務」

著者: 福永篤志1 河瀬斌1

所属機関: 1慶應義塾大学医学部脳神経外科

ページ範囲:P.401 - P.401

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 通常安全配慮義務とは,労働者が勤務中に事故などに遭わないように,使用者側において労働者の安全に配慮する義務をいいます.以前は不法行為(民法709条)の問題として取り扱われていましたが,国の自衛官に対する生命および健康などを危険から保護するよう配慮すべき義務を認めた最高裁判決(昭和50年2月25日第三小法廷判決)を契機に,雇用契約を背景として,使用者が労働者に対する安全配慮を怠った債務不履行(415条)の問題として取り扱われるようになりました.

 このように,一見医事法とは関係ないように思われますが,医療過誤事例でも医療者側に患者に対する「安全配慮義務」違反が問われることがあります.この場合の「安全配慮義務」は,雇用契約ではなく,診療契約上の債務不履行として捉えられることになります.

参考文献

1)辻 伸行.患者の病院内での他害行為と安全配慮義務.別冊ジュリスト医事法判例百選,74-75, 2006

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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