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文献概要
コラム:医事法の扉
第50回 「予防接種」
著者: 福永篤志1 河瀬斌2
所属機関: 1国家公務員共済組合連合会立川病院脳神経外科 2慶應義塾大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.586 - P.586
文献購入ページに移動では,予防接種の副作用で患者に健康被害が発生した場合,被害の塡補はどうなるのでしょうか.この問題は,「賠償」と「補償」を理解することから始まります.賠償も補償も,「行為(接種)」と「結果(後遺障害など)」との因果関係がなければ請求できません.両者の違いは,「賠償」が接種側(当該医師や国)に過失がなければ成立しない一方で,「補償」は過失を必要としない分その塡補範囲は制限されているという点にあります.以前は「補償」されなかったのですが,多くの予防接種を実施すると,ある確率で後遺障害は発生するので,予防接種制度を維持するためにもこの被害は過失の有無にかかわらず「補償」すべきであると考えられ,昭和51年に補償規定が設けられたのです(最近では「産科補償制度」など).
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