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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科38巻8号

2010年08月発行

文献概要

コラム:医事法の扉

第52回 「破裂脳動脈瘤」

著者: 福永篤志1 河瀬斌2

所属機関: 1国家公務員共済組合連合会立川病院脳神経外科 2慶應義塾大学医学部脳神経外科

ページ範囲:P.773 - P.773

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 破裂脳動脈瘤は,手術のタイミングの問題や,再破裂,脳血管攣縮,水頭症などの合併症を伴うという複雑な臨床経過をたどる特徴があるため,未破裂脳動脈瘤とは異なった法的紛争がしばしば起こります.「手術・検査手技の過失」が最も多い争点ですが,原告の主張の全部または一部が裁判所に認められた割合(認容率)は17%と比較的低くなっています2).これは,手術・検査手技の専門性と閉鎖性,合併症との鑑別などから,原告側にとって過失を証明することが困難であるためと考えられます1)

 手術手技の過失を認定したうえで,後遺障害との因果関係が問題となった最近の判例があります.

参考文献

1)福永篤志,古川俊治,大平貴之,須田 清,河瀬 斌:脳神経外科領域における医療過誤─下級裁主要判例の検討─.No Shinkei Geka 34:85-94, 2006
2)福永篤志,古川俊治,大平貴之,河瀬 斌:脳動脈瘤治療に関する医療過誤訴訟.No Shinkei Geka 35:193-200, 2007

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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