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『神経内科ハンドブック 第4版 鑑別診断と治療』―水野 美邦●編 フリーアクセス
著者: 栗原照幸1
所属機関: 1東邦大/神経内科
ページ範囲:P.793 - P.793
文献購入ページに移動神経系はその解剖学的な複雑さから,とっつきにくいと考えられるが,問診をして,発症の仕方(突発性,急性,亜急性,慢性進行性,寛解・増悪の繰り返し等)や病気の経過,家族歴の有無,仕事や環境との関連性などよく話を聞いて,次に神経診察を取り落としなくすると,①主に問診からどのような病態か(血管障害,炎症,代謝・中毒,腫瘍,変性,脱髄),②神経診察所見から神経系の疾患部位を8割がた,明らかにすることができる.問診と診察所見から最も考えられる診断を思いついた後に,多くの鑑別診断も思い浮かべて,神経学的検査法の助けも含めて,最終診断に至るが,この本の副題にもなっている鑑別診断の重要性を編者はよく強調している.図や写真も多く,まとめの表も理解しやすい.重要な参考文献が読書を深めるために十分すぎるほど記載され,最新情報が盛り込まれている.
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