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コラム:医事法の扉
第53回 「脳腫瘍」
著者: 福永篤志1 河瀬斌2
所属機関: 1国家公務員共済組合連合会立川病院脳神経外科 2慶應義塾大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.866 - P.866
文献購入ページに移動平成元年以降の11判例をみますと,裁判上の争点としては,「因果関係」,「誤診等不適切な診療行為」(以上,同順位),「手術・検査・治療手技の過失」,「説明義務違反」,「管理義務違反」,「手術・検査の不作為・懈怠」の順に多いことがわかりました.そのうち裁判所の認容率が特に高かったのは,「因果関係」(90%)と「管理義務違反」(80%)でした1).管理義務違反が高率に認容された理由として,モニタリングの機会が脳動脈瘤よりも比較的多く,モニタリングによる管理方法は通常標準化されていることから,術後に予測以上の障害が発生した場合に,当時の医療水準に満たない方法で管理をしていた時には医療側の過失が認定されやすいからではないかと考えられます(もっとも,今後裁判例が増えると傾向が変わるかもしれません).
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