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文献概要
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編集後記
著者: 冨永悌二
所属機関:
ページ範囲:P.874 - P.874
文献購入ページに移動 本号の扉に,塩川教授が「まごころの医療」について書いておられる.多言を要さないまさにど真ん中直球とも言うべき内容であり,小生ばかりでなく多くの先生が素直に頷かれると思う.特に若い先生は先端手技を求めるばかりでなく,一般診療科として脳神経外科のcommon diseaseをまずmanageできなければならないというくだりに,異を唱える先生はいないと思う.塩川先生の「まごごろ」という面はゆい言葉を敢えて掲げる真摯さと,自ら率先して「まごころの医療」の範を示していることに敬服いたします.
総説では「脳動脈瘤発生・増大のメカニズム」と題して,最近の基礎的脳動脈瘤研究が要領よく俯瞰されている.脳神経外科医にとって脳動脈瘤は長い間,クリップで挟むべきふくらみか,コイルを詰めるべき造影剤のプールでしかなかったが,その発生・増大のメカニズムに光があてられると新たな容貌を呈する.近い将来,薬物治療が現実のものとなるかもしれない.患者にとっては大きな福音である.しかしここでも研究すればするほど,手術という己の立ち位置を削っていかなければならない外科医の皮肉について考えさせられる.もう1つの総説も重傷頭部外傷における脳内microdialysisについての労作であり,大変教育的内容である.Microdialysisの原理から臨床応用,筆者らの経験症例まで詳述されており興味深い.
総説では「脳動脈瘤発生・増大のメカニズム」と題して,最近の基礎的脳動脈瘤研究が要領よく俯瞰されている.脳神経外科医にとって脳動脈瘤は長い間,クリップで挟むべきふくらみか,コイルを詰めるべき造影剤のプールでしかなかったが,その発生・増大のメカニズムに光があてられると新たな容貌を呈する.近い将来,薬物治療が現実のものとなるかもしれない.患者にとっては大きな福音である.しかしここでも研究すればするほど,手術という己の立ち位置を削っていかなければならない外科医の皮肉について考えさせられる.もう1つの総説も重傷頭部外傷における脳内microdialysisについての労作であり,大変教育的内容である.Microdialysisの原理から臨床応用,筆者らの経験症例まで詳述されており興味深い.
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