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長崎県離島にて発症した高血圧性脳内出血患者の現状―遠隔画像システムとヘリコプター搬送
著者: 川原一郎1 本川哲史1 梅野哲也1 諸藤陽一1 高畠英昭1 戸田啓介1 堤圭介1 馬場啓至1 米倉正大1 高山隼人2
所属機関: 1国立病院機構長崎医療センター脳神経外科 2国立病院機構長崎医療センター救命救急センター
ページ範囲:P.963 - P.968
文献購入ページに移動長崎県は九州の最西端に位置し,大小約600の島々を有する全国一の離島県であり,代表的な大型有人島として対馬,壱岐島,五島列島がある(Table).現在,法指定の離島地域には,県人口の10%にあたる約15万人が暮らしており,公的病院,公設診療所,開業医院により医療が行われている.脳神経外科領域に関しては,地理的に不利な条件に加え外科的緊急手術を行える医療施設がないこともあり,以前よりこれらの離島にて発症した脳神経外科救急患者のほとんどは,海上自衛隊によるヘリコプター(ヘリ)搬送にて当施設へ搬送されてきた(Fig. 1).現在では,ドクターヘリ(Fig. 2A),県消防防災ヘリが加わり,計3機の稼働にて離島医療を援助している.また,1991年より離島医療情報システム(遠隔画像診断システム)が導入され,医療施設間で専門的な診断や治療方針についてのコンサルテーションが可能となり,ヘリ搬送の要請がより速やかになった(Fig. 3).
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