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編集後記 フリーアクセス
著者: 高安正和
所属機関:
ページ範囲:P.1122 - P.1122
文献購入ページに移動さて現在,脳神経外科関連の雑誌はいくつかあるが,本誌「脳神経外科」は,脳神経外科の幅広い分野にわたるトピックスに関する論文が,臨床・研究を問わず掲載されているのが特徴である.自分の専門分野以外の記事を手軽に読むことができるのも楽しみであり,それが本誌の真骨頂でもある.本号の「扉」では,石内勝吾先生が「脳の可塑性について」というタイトルで神経科学について格調の高い文章を書かれている.ご自身では「脳そのものの理解は,無知に近い」と謙遜して述べられているが,先生の脳科学への造詣の深さを垣間見る思いであった.また,本号の総説では深谷親先生に定位・機能神経外科の歴史から最新の手技まで,多くの写真を用いて解説いただき,たいへん勉強になる.研究論文も興味深く,渡邉真哉先生の「カベルゴリン時代のプロラクチノーマの治療」は,現在下垂体腫瘍の治療から距離を置く私のようなものにも分かりやすい.安納崇之先生は独居者に注目した脳卒中に関する疫学調査について書かれている.先天奇形シリーズでは稲垣隆介先生が「くも膜囊胞」について分かりやすく解説されており,1編のテクニカルノート,6編の症例報告なども多彩であり,読み応えのある号に仕上がっている.
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