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症例
正常圧水頭症におけるシャント圧調整とcortical reorganization--fMRIを用いた脳機能評価
著者: 平本恵子1 工藤弘行2 村中博幸3 平田直樹5 甲田宗嗣2 村上恒二4 近藤浩6
所属機関: 1広島市総合リハビリテーションセンター脳神経外科 2広島市総合リハビリテーションセンターリハビリテーション科 3広島市総合リハビリテーションセンター放射線科 4広島市総合リハビリテーションセンター整形外科 5GEヘルスケアジャパン株式会社 6県立広島病院脳神経外科
ページ範囲:P.367 - P.374
文献購入ページに移動正常圧水頭症(normal pressure hydrocephalus,以下NPH)を合併した脳卒中・頭部外傷例において,シャント術を行い適切な圧調整がなされることで機能回復がみられるのは周知の通りである.しかし重症脳卒中・頭部外傷例のNPH合併例では,原疾患による症状とNPH症状がオーバーラップするため両者の鑑別に難渋することが多い.また,シャント術後亜急性期~慢性期にかけても至適な脳圧が変動する場合もあるため,シャント例においては急性期を過ぎたのちも画像や身体機能をこまめに評価し,適正な脳環境を維持する必要がある.
われわれはNPHを合併した頭部外傷例に対し圧可変式バルブを用いてVPシャント術が行われ,回復期リハ期間中に脳圧調整を行い急激に身体機能が改善した1例を経験した.この症例においては,リハビリテーション経過中の臨床評価に加え圧調整前後での脳室サイズ,およびfunctional magnetic resonance imaging(以下fMRI)を用いて下肢運動タスクにおける大脳皮質での賦活領域を経時的に評価した.
脳圧調整と大脳皮質の機能的再構築の関連性について究明するため,このたび損傷脳における個人脳のfMRI解析結果を文献的考察を交え報告する.
参考文献
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