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報告記
第4回インド日本友好脳神経外科カンファランス(2010年10月9~10日),第12回インド頭蓋底外科学会(2010年10月7~8日)
著者: 中島正明1
所属機関: 1岡山済生会総合病院脳神経外科
ページ範囲:P.423 - P.425
文献購入ページに移動インド頭蓋底外科学会において,河瀬先生のanterior transpetrosal approachは既に常識的な手術であり,彼らの技術は非常に高いと思われました.大きなpetroclival meningiomaでも,大変上手にかつ合併症もなく摘出されている症例が,相次いで報告されていました.経錐体アプローチは,もはや河瀬先生,白馬先生の偉大な先駆者の先生方の特殊なアプローチでなく,一般脳神経外科医もマスターすべき必須のアプローチであると再認識されました.日本のよさは,各地方の主要センターで優れた手術を,低い合併症と安い医療費で受けられる特徴がありますので,大学病院だけでなく市中病院に勤務するわれわれのような一般脳神経外科医も,常に向上心と世界に目を向けた姿勢で日々の診療・手術に励むべきであると思われました.学術集会に先立ち,齋藤先生と大畑先生によるlive surgeryは特に印象的でした.齋藤先生はclival chordomaをtransbasal approachで,大畑先生はtentorial meningiomaをretrosigmoid approachで手術されました.両症例とも脳幹にめり込んだ腫瘍で,通常夜中までかかる手術と思われましたが……,お2人とも午後2時には手術終了されたことには驚かざるを得ませんでした.日本のトップリーダーの先生方の手術は,依然世界最高レベルであり,会場にいるインド脳神経外科医たちの賞賛を受けられました.自分も含めて日本の若いドクターは,日本のトップリーダーの先生の手術をぜひ見学すべきであると痛感しました.手術書を読むだけでなく,「百聞は一見にしかず」です.
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