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編集後記 フリーアクセス
著者: 伊達勲
所属機関:
ページ範囲:P.436 - P.436
文献購入ページに移動2010年から2011年にかけて,3Dと電子書籍に関する話題がマスコミを賑わせている.3Dについては顕微鏡画像のモニタを教育目的で3D化することや,神経内視鏡への応用などが,脳神経外科分野の直近の話題であり,電子書籍も大きな発展が望める領域である.各種の医学雑誌がPDFのスタイルで供給され,電子書籍として持ち歩けるようになった.さらに,書店で販売されている書籍や雑誌を電子書籍化してiPadなどに入れることが流行しつつある.自分で電子書籍化することを「自炊」と呼ぶようになった.「自炊」のためのスキャナーや裁断機も売られているし,新聞でも「自炊の仕方」という特集記事が掲載されるほどである.私はかつて本誌で「IT自由自在」という連載を担当し,2004年の連載開始時に両面スキャナーが書類の保存に有用であると書いたが,まさか,書籍まで自分で電子化する時代になってくるとは思わなかった.「自炊」すると,机の周りの書籍類の山が少しは片づくメリットもあるが,電子化自体が目的になってはいけない.自炊したものを食べる,すなわち読んで内容を吸収しないと意味がないことを改めて肝に銘じるべきであろう.
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