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手術の期待値と手術適応
著者: 齋藤清1
所属機関: 1福島県立医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.639 - P.640
文献購入ページに移動 一般に手術適応は,個々の患者さんについて手術の必要性や危険性を総合的に判断して決めると思う.例えば,慢性硬膜下血腫で脳の圧迫が強い高齢者の場合には,手術の必要性は高く危険性は低いため,手術適応との判断にほとんどの場合異論はない.脳ドックでみつかった無症状の脳幹部海綿状血管腫の高齢者であれば,手術の必要性よりも危険性が高く,経過観察とすることが多い.一方,脳幹を強く圧迫し脳底動脈を巻き込む大きな錐体斜台部髄膜腫の若年者の場合にはどうであろうか.手術の必要性も高いが危険性も高い場合に,手術の判断は難しい.自分の手術経験と成績を踏まえた上で,本人および家族に危険性を説明してよく相談し,結論を出すことになる.
期待値については学生時代に数学で習った記憶がある.確率論における確率変数の期待値とは,確率と確率変数を掛けた総和と定義される.例えば,サイコロを1回振るときに出る目の期待値は,出る目の確率がすべて1/6とすれば,1×1/6+2×1/6+3×1/6+4×1/6+5×1/6+6×1/6=3.5で3.5となる.
期待値については学生時代に数学で習った記憶がある.確率論における確率変数の期待値とは,確率と確率変数を掛けた総和と定義される.例えば,サイコロを1回振るときに出る目の期待値は,出る目の確率がすべて1/6とすれば,1×1/6+2×1/6+3×1/6+4×1/6+5×1/6+6×1/6=3.5で3.5となる.
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