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書評
『イラストレイテッド脳腫瘍外科学』―河本 圭司,本郷 一博,栗栖 薫●編 フリーアクセス
著者: 堀智勝12
所属機関: 1女子医大 2森山記念病院
ページ範囲:P.680 - P.680
文献購入ページに移動「A.術前」の章では,脳腫瘍外科の歴史,分類と発生頻度,画像診断が述べられている.歴史と分類は河本先生,発生頻度は渋井壮一郎先生,画像診断は藤井幸彦先生,画像鑑別診断は泉山仁先生,宮武伸一先生がそれぞれ執筆を担当されており,非常にわかりやすい.特に宮武先生のグリオーマ再発,放射線壊死,pseudoprogressionの項は,先生ご自身の最新の臨床経験に基づいた力作であり,一読に値する.私の患者さんで右帯状回を含んだ悪性グリオーマの部分摘出術後,宮武先生にBNCTを行っていただき,完治?している患者さんの結婚式に招かれた経験などを読んでいて思い出した.そのほかにも悪性髄膜腫などの難治例にもBNCTが効果ありと聞いているが,帝京大の故・畠中坦教授が精力的に行っていた治療法を,より最新のモダリティを使用して完成度の高い治療法に仕立て上げた情熱に敬意を払いたい.
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