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手術手技
テント上グリオーマの手術
著者: 谷栄一1
所属機関: 1兵庫医科大学脳神経外
ページ範囲:P.19 - P.24
文献購入ページに移動テント上グリオーマは通常境界が不鮮明なため全別出は不可能であり,たとえ境界鮮明な腫瘍を全別出したと思っても,少数例を除き術後の再発は必至である.従って,グリオーマの手術適応には種々の問題点があるが,腫瘍の種類の如何を問わず,出来るだけ根治的に別出する方が生存率の点ですぐれていることは,諸家の意見の一致するところである.その前提条件として,術後患者に神経脱落症状を与えず,生存期間中のuseful lifeの保障が必要である.現在実施される非手術的治療も,手術の補助的治療法と言って過言でなかろう.
現在,グリオーマ手術手技の改善にも限度があるとはいえ,常に工夫洗練されなければならない.この点microsurgeryの応用により,術後の神経脱落症状の発生は減少し,深部グリオーマの若干例も剔出可能である.同時にグリオーマの病理の理解が手術遂行上有益であることは言うまでもない.テント上グリオーマ中,optic gliomaおよびchoroid plexus papillomaは紙面の都合上割愛させていただく.
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