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総説
不随意運動
著者: 松本圭蔵1
所属機関: 1徳島大学脳神経外科
ページ範囲:P.923 - P.931
文献購入ページに移動神経化学的研究からParkinsonismにおいて,黒質線体系のdopamineの減少がみいだされた.このdopamincの減少した状態を補うL-DOPA療法は臨床治療学上,大きな進歩をもたらした.しかし,それではなぜdopamineの減少によってParkinsonismの振戦,固縮,無動などが起こってくるのかという,いわゆる病態生理機構に関しては,いかなる理論も全く想像の域を出ていないといえよう.すでにご承知のごとく,この不可思議で難治な不随意運動という病的運動の発生機序を病理学的立場から,あるいは生理学的立場から解明せんとして,多くの仮説がたてられ,また多くの研究者たちによって,いわばあらん限りの努力と業績がつみ重ねられてきた.しかし,現在までどれ1つとして完全な結論をえたものはない.
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