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症例
視交叉部クモ膜炎症状で発症した脳動静脈奇形の1例
著者: 伊藤建次郎1 三田礼造1 鈴木重晴1 松山秀一2
所属機関: 1弘前大学脳神経外科 2弘前大学眼科
ページ範囲:P.1011 - P.1017
文献購入ページに移動視交叉部クモ膜炎は,19世紀末初めて手術により確認されて以来,種々の名称で呼ばれているが3,17,23),本症が視神経障害の原因として注目されてきたのは,視交叉症状のために開頭され,この症状が,この部のクモ膜の炎症性癒着または嚢腫すなわち視交叉偽脳腫瘍によったものとして,しばしば報告されてきたからにほかならない.
さて,本症の原因としては,従来、種々述べられているが,これが脳動静脈奇形に起因し視力障害を呈したものとしては,我々が文献的に調べた限りでは,現在まで報告されていない.
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