Neurological Surgery 脳神経外科4巻11号

1976年11月発行

症例

前脈絡動脈動脈瘤を合併した脳底部異常血管網症の1例

著者： 竹山英二¹ 松森邦昭¹ 杉森忠貫¹ 加川瑞夫¹ 福山幸夫²

所属機関： ¹東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科 ²東京女子医科大学脳神経センター小児科

ページ範囲：P.1075 - P.1079

Ⅰ．はじめに
　脳底部異常血管網症と，脳動脈瘤の合併はまれである^{2，5，7，12）}．前者のいわゆる成人型はクモ膜下出血を初発症状とするものが多い^15）といわれているが，脳動脈瘤を合併した場合，クモ膜下出血の原因をどちらに求めるかは，臨床的に重要な問題となる．最近，われわれは，前脈絡動脈の末梢に球状の動脈瘤をもった脳底部異常血管網症の1例を経験した．同症例を報告し，若干の考察を加える．