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文献概要
症例
頭蓋内に浸潤した篩骨洞癌の2例
著者: 成瀬昭二1 小竹源也1 山木垂水1 遠山光郎1
所属機関: 1京都府立医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.1085 - P.1093
文献購入ページに移動副鼻腔原発癌は少なく,全悪性腫瘍中,0.2%の頻度とされている(Martin13),Dodd et aL2)).その中でも,副鼻腔の部位別にみると,篩骨洞癌は全副鼻腔癌の5.6%(Larsson et al12)),5,5%(Hara5)),6.5%(FitzHugh et al.3)),33%(Osborn et al.15)),と少なく,残りのほとんどが上顎癌である.
わが国では,犬山ら8)によると,上顎癌の比率がさらに高く,篩骨洞癌は全副鼻腔癌の2%で,総計しても34例の報告があるのみである.その内,頭蓋内へ浸潤したものは,わずか6例のみで,症例数の少なさのため臨床像に不明な所もある.最近,我々は,この篩骨洞癌の頭蓋内への浸潤例を2例経験したので,その詳細を報告し,文献的考察を加えて病態像を明らかにしたい.
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