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研究
神経鞘腫および神経線維腫の組織培養
著者: 久保長生1 上条裕朗1 氷室博1 喜多村孝一1 沖野光彦2
所属機関: 1東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科 2木村病院脳神経外科
ページ範囲:P.1149 - P.1155
文献購入ページに移動Harrison(1907)による蛙の神経の培養に始まる神経系の培養は培地などの改良により非常な進歩をみせている.脳腫瘍の組織培養はKredel(1928)1),Bruckley(1929)3)らによって本格的に研究が始められ,これ以後,脳腫瘍の分類,細胞構成の解明,cell kineticsなどの研究に大きく貢献している.神経鞘腫については,Kredel(1929)2)が7例のacoustic neurinomaを培養して以来,Cox and Cranagc(1937)4),Murray(1940)5),Takeuchi(1973)12)らによって報告されている.今回,我々はacoustic neurinma,spinal cord neurinoma,von Recklinghausen's diseaseのいわゆるneurofibromaの組織培養を行なった.組織培養は単なるmonolayer methodとgelfoamを用いるorgan culture methodを行ない,これらの所見よりneurinomaの細胞成分について若干の知見を得,またneurinomaとneurofibromaとの共通点および相異点について興味ある所見をえた.
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