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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科4巻12号

1976年12月発行

文献概要

研究

急性頭蓋内圧亢進時の脳腫脹に関する実験的研究—とくに,Cerebral vasoparesisにおよぼす呼吸,循環動態の影響について

著者: 重森稔1 渡辺光夫1 倉本進賢1

所属機関: 1久留米大学脳神経外科

ページ範囲:P.1177 - P.1184

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Ⅰ.緒言
 急性頭蓋内圧亢進時の脳腫脹は脳神経外科の臨床でしばしば遭遇する病態であり,従来より脳循環や脳代謝などの面から多くの検討がなされてきている.しかしながら,その原因や病態生理の面で現在なお不明の点も多く,その予防や治療上にも種々の困難性を秘めている.一般に,急性頭蓋内圧亢進時の脳腫脹は脳血管トーヌスの減弱ないし消失,すなわちcerebral vasomotor paresis or cerebral vasomotor paralysis(以下cerebral vasoparesis)による脳血管床内血液量の急速な増大が主役をなすと考えられている10).そして,このcerebral vasoparesisないし急性脳腫脹の病態解明のために,調節呼吸のもとでかなり高い頭蓋内加圧を行う多くの実験が行われているが,これらの病態の進展をみてみると少なくとも初期の段階において呼吸障害の影響がきわめて重要な要素の1つとなっていることに関しては諸家の意見が一致している4,6,20)
 私どもは,急性頭蓋内圧亢進時のcerebral vasoparesisの発生,進展の状態を観察,検討する目的で,より実際の臨床例に類似させるために自発呼吸下に実験を行い,あわせて呼吸,循環動態の影響,脳静脈系や全身循環動態の変化などの面から観察を行い興味ある知見を得たのでここに報告する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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