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症例
正常圧水頭症によりパーキンソン様症状を呈した側脳室内subependymal glomerate astrocytomaの1例
著者: 若井晋1 青井信彦1 久保田勝1 水谷弘1
所属機関: 1東京都立府中病院脳神経外科
ページ範囲:P.1199 - P.1203
文献購入ページに移動正常圧水頭症(以下NPHと略す)は痴呆,歩行障害,尿失禁1)をその特徴的な臨床症状とするが,最近では他の症状をも伴ったりあるいは必ずしも下記3徴候がそろわない例が報告されており,他疾患との鑑別診断および治療上の問題となってきている.1973年Sypertら15)はparkinsonismdementia complexを呈したNPHの3例を報告しているが,今回我々は,入院時,痴呆およびバーキンソン様症状を呈しV-Pシャントにて症状の消失した症例を経験した.更にこの例では精査により右側脳室内の腫瘍が発見され全摘出した.組織学的にはBoykinら2)の言う"subependymal glomerate astrocytoma"と言えるものであった.本邦では今のところこの様な症例の報告は見当らず,文献的考察を加えて報告する.
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