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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科4巻2号

1976年02月発行

文献概要

研究

破裂脳動脈瘤の早期手術—特に48時間以内の手術

著者: 鈴木二郎1 吉本高志1

所属機関: 1東北大学脳疾患研究施設脳神経外科

ページ範囲:P.135 - P.141

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 破裂脳動脈瘤の手術時期は,再破裂を防ぐために,破裂後の早期が理想的である.しかし,早期に手術を施行した症例の手術成績は,2週間以後に行なった症例に比して明らかに悪く7,11,14,15),このため早期特に1週間以内には手術を行うべきでないとする人が多い4,10,13).しかし一方,破裂脳動脈瘤のnatural historyをみると,2週間以内に既に全死亡例の半数以上が死亡しており9),ここに我々脳神経外科医のジレンマがあったのである.
 東北大学脳神経外科に於て,1971年より1973年の3年間に経験した脳動脈瘤症例を,破裂発作より手術日迄の期間を,24時間以内に根治手術を施行した群を1日目症例,24時間以降48時間迄を2日目,48時間以降72時間迄を3日目として検討したところ,手術成績は,1週間以内に手術を施行した群が,最も高い死亡率を示していた.しかし,1週間以内に手術を施行した症例を,さらに術日毎に調べると,術日によって結果は異なり,破裂発作後24時間(1日目)に手術を施行した症例は死亡例はなく,48時間(2日目)の症例も死亡例は10例中1例のみであったが,3日目が最も死亡率が高く,4日,5日目の順で続いていた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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