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研究
正常圧水頭症におけるshunt術の効果—特にその神経症状の推移について
著者: 露無松平1 菅沼康雄1 大畑正大1 平塚秀雄1 稲葉穣1 岡田洽大2 星豊2 布施正明2
所属機関: 1東京医科歯科大学脳神経外科 2東京都養育院附属病院脳神経外科
ページ範囲:P.149 - P.154
文献購入ページに移動1965年Adamsら1)により初めて正常圧水頭症なる概念が提唱されて以来数多くの報告が見られてきたが本疾患の発生機序に関してなお幾多の問題があり,必ずしも解明されたとはいいがたい.また本疾患の概念,シャント手術の適応のcriteria,臨床的な諸検査や補助診断法の限界等に関する見解にもかなりの混乱が見られている.
われわれはくも膜下出血後の髄液循環動態については今まで報告してきたが今回は主として脳動脈瘤破裂によるくも膜下出血後,およびその他の原因で起こる正常圧水頭症(以下NPHと略す)にshunt手術を行なって何らかの効果発現の認められた18例についてその神経症状の推移を詳細に検討し興味ある知見が得られたので報告する.
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