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研究
急性頭蓋内圧亢進時における脳血流量,頭蓋内圧,全身血圧および脳波におよぼすソルコセリルの影響
著者: 窪田惺1 朝倉哲彦1 喜多村孝一1
所属機関: 1東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科
ページ範囲:P.163 - P.173
文献購入ページに移動頭蓋内病変の治療においては,原疾患に対する治療を行うことが第一義であるが,そのほか原疾患に伴う,或いは外科的侵襲後に生じる脳浮腫に対する予防および治療も忘れてはならない重要な問題である.
現在脳浮腫対策として,手術的療法と薬物療法とがあるが,外科的療法についてはその適応に限界があり,また外科的処置を加えた後も薬物療法に頼らざるを得ないことが多い,薬物療法としては,副腎皮質ステロイドおよび高張液療法が現在主体となっているが,著者らはソルコセリル(高度に細網内皮系を賦活した幼牛血液の除蛋白抽出物:東菱薬品)の生化学的特性に着目し,本剤を臨床的に重症脳損傷患者に投与し,その有効性を先に報告した2).
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