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症例
ほぼ完全な自然消失をきたした脳動静脈奇形の1例
著者: 佐々木潮1 板垣徹也1 清水英範1 高橋勝1
所属機関: 1松江赤十字病院脳神経外科
ページ範囲:P.175 - P.181
文献購入ページに移動脳動静脈奇形(AVM)は,脳動脈瘤と共にクモ膜下出血をきたす2大疾患ではあるが,保存的治療の予後も,脳動脈瘤に比べれば比較的良好であり,種々の条件により保存的,対症的な治療に終ることも多い13).このように自然放置されたAVMの形態的変化について検討した報告は意外に少なく,このなかでもAVMの自然治癒の報告例は極めて稀であり,文献上10例に満たない3-6,8,9,11,18).
我々は,左半身麻痺で発症した右頭頂部のAVMが3年後のangiographyでほぼ完全に自然治癒した症例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告する.
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