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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科4巻2号

1976年02月発行

文献概要

症例

経口的斜台切除法による脳底部動脈瘤手術の経験

著者: 端和夫1 白馬明1 生野弘道1 西村周郎1

所属機関: 1大阪市立大学脳神経外科

ページ範囲:P.183 - P.189

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Ⅰ.はじめに
 椎骨脳底動脈瘤で正中部にあり,しかも斜台の尾側1/3の高さにあるものは,上方よりsubtemporal transtentorialに接近すれば頸静脈隆起にさえぎられ,下方より後頭下開頭を行なえば,下位脳神経,延髄に障害されて接近することが難しく,手術的にno man's landとなっている.したがって,直接この部位に到達するにはtranscervicalあるいはtransoralの経路のいずれかを用い斜台の前面に達し,斜台切除を行なう必要がある.Transcervical transclival approachはStevensonら6)により始めて報告され,動脈瘤に対しては,Fox3),Wissingerら7)による成功例が報告されている.一方,transoral routeによる動脈瘤手術は佐野ら5)の成功例の報告があり,そのほか,Yasargil8),Drake1)らによっても試みられている.
 著者らは左椎骨動脈より発生した巨大紡錘形動脈瘤に対して,transoral transclival approachにより手術を行ない,動脈瘤のtrappingと内容吸引に成功したが,術後1カ月目に髄膜炎のために死亡した1症例を経験した.症例を報告するととともに,この手術法の問題点について考察,反省したいと考える.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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