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症例
脳梗塞における脳浮腫に対する外科的対策—自験例と文献的考察
著者: 垣田清人12 宮崎崇1 門脇弘孝1 井沢正博1 窪田惺1 朝倉哲彦13 喜多村孝一1
所属機関: 1東京女子医科大学脳神経センター脳神経外科 2京都第1赤十字病院脳神経外科 3鹿児島大学脳神経外科
ページ範囲:P.277 - P.283
文献購入ページに移動脳卒中の際の脳循環代謝の変動については,従来多くの研究が報告されているが,脳浮腫について注目されたのは,比較的最近のことである.脳梗塞の急性期における死亡原因としては,脳浮腫・脳腫脹およびそれに続く脳嵌頓が,重要な役割を果たしていると思われるにもかからわず,この問題に対して取り上げた報告はあまり多くない3,9,10,12,13).著者らは最近,著明な脳浮腫を伴った脳梗塞症例2例を相次いで経験したので,その臨床経過の概要を報告する.また,1970年6月より1974年4月までの約4年間に東京女子医科大学附属脳神経センター,脳神経外科において経験した脳梗塞例について,脳浮腫・腫脹の面より検討を加えた.その結果,脳梗塞の急性期における救命対策として,減圧開頭術の必要性を痛感し,ここに文献的考察を加えて報告するしだいである.
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