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症例
小児の脳動脈瘤—症例報告と小児期発生についての考察
著者: 山川勇造12 小阪英幸13 永冨裕文1
所属機関: 1大分県立病院脳神経外科 2九州大学脳研外科 3熊本大学脳神経外科
ページ範囲:P.299 - P.304
文献購入ページに移動くも膜下出血の原因としては,脳動脈瘤の破裂および脳動静脈奇形よりの出血がその代表的なものであり,前者は成人に多く,後者は若年者に多いことが通説である12,17-20).脳動脈瘤は嚢状動脈瘤が圧倒的に多く,その発生病理に関して,従来より先天性の中膜欠損が基因となって発生すると考えられてきた.しかしながら小児および青春期に発症するのはまれである.われわれは今回,12歳男の前交通動脈動脈瘤破裂例を経験し,手術にて動脈瘤頸部にアテローム性硬化斑と思われる病変部を認めた.これは発生病理学的に興味ある所見と思われるが,本小児脳動脈瘤について病因論を中心に若干の文献的考察を加えたので報告する.
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