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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科4巻5号

1976年05月発行

文献概要

診断セミナー

コルサコフ症状群

著者: 浜中淑彦1

所属機関: 1京都大学精神神経科

ページ範囲:P.443 - P.449

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I.コルサコフ症状群の定義と研究史
 コルサコフ症状群Korsakoff(他にドイツ語圏,フランス語圏ではKorsakow,Korsakovとも転記)syndrome(以下K症状群と略す)は今日,健忘amnesia(英);Amnésie(独);amnesie(仏)*1),失見当disorientation;Desorienierung od.Desorientiertheit;désorientation,作話confabulation or fabrication;Konfabulation;fabulationの3主要症状によって特徴づけられる(必ずしも慢性・持続性ではないにしても)比較的安定した精神的状態像として定義されるのが一般である.
 もっともK症状群の定義については,いつの時代にも諸家の間に細部にまでわたる完全な一致があったわけではないし,今日でもその事情に変わりはなく,またほぼ同義の術語として等しく広く用いられているものに健忘症状群amnesic syndrome; amnestisches Syndrom; syndrome amnesiqueがあるが,それはあくまで症状理解に際して置かるべき力点の相違にすぎず,本質的な点にかかわる事柄ではない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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