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研究
下垂体およびその近傍腫瘍の内分泌学的検討(第6報)—Acromegalyの治療前下垂体ホルモン分泌能について
著者: 渡部優1 滝本昇1 最上平太郎1 橋本琢磨2 大西利夫2 宮井潔2 熊原雄一2 森信太郎3 魚住徹3
所属機関: 1大阪大学脳神経外科 2大阪大学中央臨床検査科 3広島大学脳神経外科
ページ範囲:P.465 - P.470
文献購入ページに移動acromegalyはその特異な臨床症状から臨床研究の歴史は古く,かつその本態が下垂体からの成長ホルモン過剰分泌によることも早くから明らかにされてきた.しかし他の成長ホルモン以外の下垂体ホルモン分泌能に関しては他の下垂体腫瘍,すなわちhormone非分泌性のchromophobe adenomaなどと同じく必ずしも正確な報告がない.その臨床像から末梢内分泌臓器の機能を介して下垂体ホルモン分泌能を推測するような成績はかなりの数報告されてきたが1),近年の急速に発達した下垂体ホルモン直接測定による成績は数少ない.本論文の目的は自験例のacromegaly,すなわち下垂体性GH過剰症におけるGH以外の下垂体ホルモン,すなわちACTH,LH,FSH,TSH,prolactin(PRL)の実態を明らかにすることである.
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