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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科4巻5号

1976年05月発行

文献概要

研究

高血圧性脳出血例脳血管写像にみられる造影剤血管外漏出像とその意義—自験14例の検討

著者: 高田育郎1

所属機関: 1札幌医科大学脳神経外科

ページ範囲:P.471 - P.478

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Ⅰ.緒言
 高血圧性脳出血例における脳血管写において造影剤の頭蓋内血管外漏出,すなわちExtravasationを初めて認めたのはWesterburg(1966)20)である.氏は脳血管写施行中に意識障害が増強した高血圧性脳出血の1例においてExtravasationを認め,脳内出血持続の現象であるとした.その後Bergstrom and Lodin(1967)3),Huckman et al.(1970)8),Leed and Goldburg(1970)11),Wolpert and Schatzki(1972)23)によって同様な症例が報告されているが総計10例にすぎない.他方,本邦においては水上ら(1971)14),古和田ら(1971)10)によって6例および5例がそれぞれ報告されているのみである.しかし諸家の報告の多くは単にExtravasationの事実を記載したにとどまり,Extravasationの意義については言及していなく,わずかに水上ら14)がExtravasationと血腫形成機転について,またWolpert and Schatzki23)がExtravasationの出現時期および出血源について検討しているのみである.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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