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研究
顎動脈・中大脳動脈枝間端側吻合術—犬における頭蓋外・頭蓋内動脈間吻合術の新しい実験モデルの試み
著者: 浅利正二1 小原進1 藤沢洋之1 景山敏明1 松本圭蔵2
所属機関: 1岡山大学脳神経外科 2徳島大学脳神経外科
ページ範囲:P.549 - P.556
文献購入ページに移動近年,operating microscopeを用いるmicrovascular surgeryの発達,普及に伴い7,21,22,25),従来外科的処置のおよばなかった頭蓋内動脈閉塞症に対して,血栓除去術8,12,13,20),あるいは頭蓋外・頭蓋内動脈吻合術10,11,14,16,23,24)など積極的な外科的治療が試みられるようになった.
一方,乏血脳に対して行った血行再建術後に起こる病態の変化に関する研究はいまだ十分ではなく,この点についての臨床的,実験的研究は現在もっとも関心のもたれているところである.すなわちこれまでもacute ischemic strokeの病態についての実験的研究には,各種動物を用いて多くの努力が払われてきたが,今後はさらにこれらに加えて,比較的長期間血流を遮断した後,各時期に血流を再開した時の病態を解明し,乏血脳に対する血行再建術の意義,ことに血流再開の時期と適応についての基本的な問題を検討する必要があると思われる.
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