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交代性および交叉性片麻痺
著者: 村井由之1
所属機関: 1九州大学脳神経病研究施設神経内科
ページ範囲:P.635 - P.639
文献購入ページに移動交代性片麻痺の分類は,19世紀後半から20世紀の始めにかけて盛んに試みられた.脳幹部には比較的狭い部分に,多くの機能に関係した構造が密に存在しているので,障害部位のわずかな違いによって,数多くの症候群が記載された.それにもかかわらず,日常の診療においてはこれらのどの症候群にも正確には一致しない症例がかなり多い.したがって,最初は患者の症状と徴候から病巣の場所と広がりを正確に診断し,次にどのタイプの交代性片麻痺の症候群に属するかを考えるのが実際的であろう.実際の症例について考えてみる。
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