icon fsr

文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科4巻7号

1976年07月発行

文献概要

症例

小児後頭蓋窩結核腫の手術治験例

著者: 乙供通則1 三田禮造1 田村弘幸1 鈴木重晴1

所属機関: 1弘前大学脳神経外科

ページ範囲:P.707 - P.713

文献購入ページに移動
Ⅰ.はじめに
 頭蓋内結核腫は,1790年にFord32)によって初めて記載され,1880年にはHahn38)によりその摘出術の試みもなされて以来,外科的治療を含め多くの症例に関する報告がある.
 広義の脳腫瘍にも列せられる本症は,当然外科的治療の良い適応ではあるが,抗結核剤の出現以前は,術後高率に結核性髄膜炎が併発するために,とりわけ後頭蓋窩の場合には予後不良とされ,かのCushing(1932年)をして減圧術に止めるべきであるとさえ言わしめている25).しかし,1944年WaksmanらによるStreptomycin(SM)の発見以来,相ついで種々の抗結核剤が開発され15),術後の髄膜炎併発率も低下し,積極的に全摘出術が行われるようになった.一方,近年抗結核剤の進歩のみならず,BCGなどの普及6)あるいは生活水準の向上など,環境予防衛生の進歩により,頭蓋内結核腫は現在ではむしろまれな疾患とさえ言われるようになってきている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら