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研究
脳神経外科的見地から見たRadio Isotope Myelographyの検討
著者: 青柳訓夫1 佐々木皎1 石井喬1 土田富穂1 早川勲1
所属機関: 1東京都立墨東病院脳神経外科
ページ範囲:P.843 - P.852
文献購入ページに移動近年radio isotopeを利用する診断法は急速な発展を見せており,1948年Mooreが131I-fluoresceinによる脳スキャンニングを紹介して以来,次々と新核種tracerが紹介され(1953 Bauerの131I-HSA,1959 Blauの203Hg-neohydrin, 1964 Harperの99mTc-pertechnetate,1969 Wagnerの169Yb-DTPA,1969 Edwardの67Ga-citrate etc.)また一方ではスキャナー,γ-カメラの改良と相ともない現在脳神経外科領域でもradio isotope脳スキャンは不可欠の検査法の1つとなってきている,最近の脳スキャンの頭蓋内占拠性病変の診断率は約85%以上に達し,場合によっては脳血管撮影法を凌駕する時もある.
かように利用価値のあるradio isotopeを脊髄病変に応用する時,2-3の問題につきあたる.第1は脳スキャンにおいてもback groundによるmaskingのため側頭窩,頭蓋底,特に後頭窩での診断率は低下しγ-カメラのTowne撮影やスキャナーのtransverse section scanを行っても,高々60%程度である.1966年のKuhl6)の報告でもtransverse section scanで天膜上の92%の診断率に対し,天膜下では62%であった.
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