文献詳細
文献概要
研究
Eosinophilic GranulomaにおけるBone Scintigraphyの意義
著者: 村田高穂1 渋谷倢1 佐藤日出男1 三輪佳宏1 徳力康彦1 福光太郎1 松村忠範2 堀井広志2
所属機関: 1静岡労災病院脳神経外科 2静岡労災病院放射線科
ページ範囲:P.861 - P.866
文献購入ページに移動Bone scintigraphyにおけるRIの集積状態は局所の骨代謝をよく反映し,またその集積度は骨の破壊,修復による局所の骨変化に密接に関係していると考えられる.これまで整形外科領域においてはその診断,治療上X線写真同様に重要な手段として用いられてきたことはすでによく知られているが,脳神経外科領域においてもbone scintigraphyの利用範囲は拡大されつつある.すなわち,X線写真上の骨異常の範囲以上に軟部組織にまで広く異常集積像が描出され,その結果腫瘍性のみならず非腫瘍性病変においてもその増殖,浸潤範囲の判断に役立つからである5,6).
ここでは私たちが経験したeosinophilic granulomaの頭蓋骨侵襲例4例についてbone scintigraphyが頭部X線上の骨欠損部のみならずその周辺部の範囲を正確に示し,その診断,治療上重要な情報を提供した事実を報告し考察を加え,更に今後の類似疾患に対するbone scintigraphyの意義について述べてみたいと思う.
掲載誌情報