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「想定外」
著者: 片岡和夫1
所属機関: 1近畿大学医学部奈良病院脳神経外科
ページ範囲:P.197 - P.198
文献購入ページに移動今回の大震災を含め,戦争・経済危機など国家的災いを歴史的に振り返った時,人為的誤謬がしばしば指摘されます.責任ある当事者が恣意的に,あるいは注意を払わず「起こったら都合の悪いことは起こらないこと(想定外のこと)にしよう」という意識に陥ってしまい,その結果,さらに大きな被害を生じることがあります.1979年に起きたスリーマイル島原子力発電所で起きた事故は,米国の原子力に携わる人々に多大な教訓をもたらし,重大事故が起きた時,その影響ができるだけ少なくなるようにさまざまな対策が検討され,実施されてきました.しかし,今回の福島原子力発電所事故では,こうした米国で検討された対策が日本では十分考慮されていなかったのではとの疑問が報道されています.
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