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連載 教訓的症例に学ぶシリーズ
(5)鞍上部胚細胞腫における血中hCG値のPitfall
著者: 藍原康雄1 柏瀬しのぶ2 三木伸泰3 木村利美2 岡田芳和1
所属機関: 1東京女子医科大学病院脳神経外科 2東京女子医科大学薬剤部 3東京女子医科大学内分泌内科
ページ範囲:P.65 - P.69
文献購入ページに移動1-1.症例1
11歳で発症した鞍上部胚細胞腫患者に多剤併用療法(Day 1カルボプラチン450mg/m2,Day 1~3エトポシド150mg/m2)計4回と放射線療法(全脳室照射:1回1.8Gy,計25.2Gy)を施行した.画像上腫瘍陰影は消失し,腫瘍マーカーも陰性化(総hCG-β 0.1,Day 1)した.腫瘍再発のモニタリングは,腫瘍マーカー(α-fetoprotein:AFP,human chorionic gonadotropin:hCG)の測定を基本とし,再発が疑われる場合には画像での評価を行うこととしていた.
Day 10より思春期遅発症に対する男性ホルモン補充目的にヒト絨毛性性腺刺激ホルモン(以下,hCG製剤)「プロファシー®注5000」(メルクセローノ社,原末の入手が困難なことから現在は販売中止)を週1回,内分泌内科にて3,000単位筋肉注射することとしていた.
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