文献詳細
文献概要
--------------------
編集後記 フリーアクセス
著者: 寳金清博
所属機関:
ページ範囲:P.290 - P.290
文献購入ページに移動やや,アカデミックな話になるが,ローレンツの「バタフライ効果」で知られているように,気象は典型的な複雑系であり,初期条件のほんのわずかな違いが,大きな結果の隔たりを発生させることが知られている.天気予報の精度が100%になるには,現代科学にコペルニクス的革命が必要であることは容易に想像される.その結果,国際情勢,経済の変化,選挙結果まで,高い確度で予想される可能性はある.それは,おそらく医学にも革命的な変化をもたらすと想像される.ただ,その日は遥かに遠い.臨床医学に日常的に関わっている私たちは,医療の不確実性をいつも痛感している.天気予報よりはましかもしれないが,ベッドサイドではいつも思いがけない結果に遭遇して,狼狽することも多い.臨床医学は複雑系の科学の代表であり,様々な視点のエキスパートであるべきということは論を俟たないと思う.
掲載誌情報