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研究
未破裂遠位部脳底動脈瘤に対するanterior temporal approachの限界とその対応
著者: 勝野亮1 谷川緑野2 宮崎貴則1 太田仲郎2 野田公寿茂2 泉直人1 橋本政明1
所属機関: 1網走脳神経外科リハビリテーション病院脳神経外科 2禎心会病院脳神経外科
ページ範囲:P.311 - P.318
文献購入ページに移動一般的に脳底動脈先端部(basilar artery top:BA top)や脳底動脈上小脳動脈分岐部(basilar artery-superior cerebellar artery:BA-SCA)の遠位部脳底動脈瘤に対する外科的治療は,transsylvian approach9)とsubtemporal approach2)が選択される場合が多い.しかし脳圧排の少なさや対側の後大脳動脈(posterior cerebral artery:PCA)の確認には前者が優れ,脳底動脈瘤背側の確認には後者が優れているとされ,両者は一長一短である.したがって両者の中間からapproachするanterior temporal approach(ATA)3,7,8)は,おのおのの長所を生かし広範な術野が獲得できると考え,当院では採用している.ATAを実施する際にはapproachの限界と対応方法を理解しておく必要がある.当院における遠位部脳底動脈瘤に対するATAの実際と発展を提示し,その有用性を報告する.
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