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連載 教訓的症例に学ぶシリーズ
血管構築の術前把握が困難であった未破裂末梢性中大脳動脈大型脳動脈瘤の直達手術に際しバイパス術の併用が有用であった1例
著者: 黒木亮太12 伊野波諭2 佐山徹郎3 西村博行2
所属機関: 1九州大学大学院医学研究院脳神経外科 2九州厚生年金病院脳神経外科 3九州労災病院脳神経外科
ページ範囲:P.797 - P.802
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66歳女性,右ベル麻痺の精査を契機に頭部MRIで未破裂左中大脳動脈瘤を指摘され,当科に紹介された.高血圧と高脂血症に対し内服治療中であり,くも膜下出血や未破裂脳動脈瘤の家族歴はなかった.意識は清明で,神経学的所見に異常を認めなかった.血液・生化学的所見に異常所見はなかった.頭部CTで左シルビウス裂内に側頭葉に埋没する石灰化を伴う腫瘤を認めた(Fig.1A).頭部MRIでは腫瘤の内部中央は,T1強調画像で等信号(Fig.1B),T2強調画像(Fig.1C)とFLAIR画像(Fig.1D)では高信号を呈し,血栓化は認めなかった.脳血管撮影では,左内頚動脈撮影にて左M2下方に動脈相(Fig.2A,D)ではほとんど描出されないが静脈相(Fig.2C,F)で濃染される15mmの大型動脈瘤を認めた.動脈瘤から流出するinferior trunkも動脈瘤と同様に静脈相で最も強く描出されたが,動脈瘤neckや母動脈は同定困難であった.
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