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連載 教訓的症例に学ぶシリーズ
陸上競技用槍による穿通性頭部外傷の1例
著者: 西廣真吾1 竹内亮1 相原寛1 有澤正1 柏谷信博2
所属機関: 1福山市民病院脳神経外科 2福山市民病院救命救急センター
ページ範囲:P.243 - P.248
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現病歴 15歳,女性.陸上グラウンドで練習中に約50m離れた所から投げられた槍(陸上競技用)が左側頭部に刺さり受傷した.受傷直後は呼びかけにわずかに応じる状態であり,救急隊接触時の意識レベルは,Japan Coma Scale(JCS)でⅡ-30R,槍は同型の物と比較して約3cm刺さったままの状態であると推測された.救急車へ搬入するため現場で槍を切断し,頭部に刺さった槍はそのまま固定され当院へ直ちに救急搬送された.
来院時現症 意識レベルはJCSでⅢ-100Rと高度意識障害を認めた.瞳孔不同はなかったが,全身性痙攣を認めた.外表初見では槍は左側頭部に刺さっていた(Fig.1A)が,その刺入距離は不明であった.現場で槍はある程度切断されたが,CT検査を施行できないため救急外来でさらに切断した.来院時には救急隊接触時よりも槍は抜けていると思われたが,そのまま固定してCT検査を施行した.
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