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報告記
International TIA/ACVS Conference--(2013年11月15,16日)
著者: 川俣貴一1
所属機関: 1東京女子医科大学脳神経外科
ページ範囲:P.480 - P.481
文献購入ページに移動本国際学会には,世界12カ国から約200人が参加し,lecture 2演題,seminar 7演題,symposium 21演題,poster 107演題の発表があった.Symposiumは,TIAや急性脳血管症候群(acute cerebrovascular syndrome:ACVS)の定義・メカニズム,疫学,画像を含む診断,予防などについて発表され,活発な議論が行われた.TIA発症後に多くの症例が48時間以内などの早期に脳梗塞に移行する危険性があり,TIAは救急疾患として対処すべきであるとのことから,ACVSという新たなコンセプトが提唱されている.これは,心疾患でいう急性冠動脈症候群(acute coronary syndrome:ACS)に相当する.TIAは無治療で放置しても短時間で症状が消失するため,患者さん本人やときには一般医にさえ軽視されやすい.しかし,TIA発症早期の脳卒中リスクは従来考えられていたよりも高いことが知られるようになっている.よって早期評価とリスクの層別化,およびそれらに基づく速やかな治療開始が重要である.上記TIA registry. orgもこれらの課題を解決し,TIA診療の実態を明らかにすることが目的で開始され,本国際学会でも活発に議論された.
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