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編集後記 フリーアクセス
著者: 宮本享
所属機関:
ページ範囲:P.600 - P.600
文献購入ページに移動さて,本誌には症例報告も多く掲載されている.症例報告は貴重な症例の経験を読者と共有するという意義のほかに,ビギナー著者にとって論文投稿の登竜門としての意味合いがある.投稿原稿を査読していると,まともな日本語になっていない論文に時々遭遇する.学会で発表しているかのような口語体と論文としての文語体が入り混じっていることがある.その程度ならまだ可愛らしいもので,論文の体をなしていない論文も少なくない.本来結果で述べるべき内容を考察の中で述べたり,同じ内容を繰り返したり,冗長すぎて論文の主旨があいまいになっていたりする.これらは論理的考察が不十分であることの反映である.査読でその瑕疵を指摘しても,再投稿されてきた論文の構成にほとんど改善が認められない場合には査読者は困惑する.査読にかけた時間を返してくれと言いたくなる.果たして指導者はきちんと指導できているのか,あるいは指導者自身が論理的考察をできないのだろうか,と案じたりする.自戒の意味も込めて,指導的立場の先生方には適切な論文執筆のご指導をお願いしたい.
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