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コミュニケーションとプレゼンテーション
著者: 鎌田恭輔1
所属機関: 1旭川医科大学医学部脳神経外科
ページ範囲:P.805 - P.806
文献購入ページに移動入局から4年目の春,臨床医を続けることへの不安を抱きながらも,かねてより憧れていた北海道大学電子科学研究所で研究することになりました.ここでは医師としてではなく,研究者として基礎工学,電気回路を含む生体磁場計測研究に没頭する覚悟でした.しかし,師事した工学部の教授からのアドバイスは「医者は臨床の研究をしなさい」という一貫したものでした.その結果,今まで気づかなかった患者の“痛み”を思い,臨床現場の限界などを顧みることになりました.まったくわからなかった超伝導力学などについて,工学部の同僚が医学部の人間にもわかるようにかみ砕いて丁寧に説明してくれました.分野の異なる専門家との対等なコミュニケーションと患者への思いを抱き続けながらの研究生活で,その後も臨床医として医工連携研究に携わることになった私の医師人生の礎となる貴重な経験でした.
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