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脳動脈瘤の手術教育とIT
著者: 水谷徹1
所属機関: 1昭和大学脳神経外科
ページ範囲:P.965 - P.966
文献購入ページに移動 脳動脈瘤の開頭術者の教育をライフワークの1つとしているが,その中で日頃感じていることは,脳神経外科では,スペシャリティーの分化が進み2階建て部分の専門医も増えてきている中で,脳動脈瘤の治療においては,血管内治療が専門医,指導医の体制を手厚く敷いている一方,開頭術においては,そのようなものはなく,資格もないし教育体制もばらばらであるということである.そこで開頭術にも教育体制と,基本技術の指導をしっかりすることが大切だと考えてきた.特に未破裂脳動脈瘤の開頭術を安全確実に施行するためには,開頭から,無血の術野を意識し,両手を使い,脳を牽引するよりベストの視野角を意識し,ハサミの両先端が見える状態で切ること,クリップは最後まで先端が見える角度で挿入すること,マイクロ操作では,手が安定するような術者のポジション,手の置く位置を意識することが大切だと,最近は講演,学会,著作で,述べさせていただいている.手がふるえるという場合,緊張ばかりではなく,やはり不安定なポジションになって,手首の角度などが不自然であることが多い.このような自覚をもつと,ある程度矯正が可能だということを実感している.
手術を覚えるためには,手洗いに参加しない時にでも,手術室に足を運び,術者のポジション,体位どり,開頭を見て,また,術者と助手,周囲との会話や作戦を現場で共有していくことが最も大切であるということをまず断っておきたい.一方で,血管内治療も増加し,脳動脈瘤開頭術の個人の経験数は減少している中で,手術教育上の大きなプラス面は,動画,画像,ネットワークなどのITによる手術支援システムのめざましい発展であると思う.
手術を覚えるためには,手洗いに参加しない時にでも,手術室に足を運び,術者のポジション,体位どり,開頭を見て,また,術者と助手,周囲との会話や作戦を現場で共有していくことが最も大切であるということをまず断っておきたい.一方で,血管内治療も増加し,脳動脈瘤開頭術の個人の経験数は減少している中で,手術教育上の大きなプラス面は,動画,画像,ネットワークなどのITによる手術支援システムのめざましい発展であると思う.
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