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子どもの看取りの医療
著者: 山崎麻美1
所属機関: 1愛仁会高槻病院小児脳神経外科
ページ範囲:P.1053 - P.1054
文献購入ページに移動また一方で出生前診断技術の進歩により,先天性疾患の多くは出生前に診断されるようになっている.私たちの病院には3年前の4月に発足した,プレネイタルサポートチームがある.メンバーは,産科・新生児科・小児外科・小児脳神経外科の医師,外来・NICU・GCU・MFICUの看護師および助産師,理学療法士,臨床心理士,MSW,医療秘書科事務職員と多職種から構成されている.全国で初の専任の周産期コーディネーターを置き,2週間に1回の会議をもちながら,これまでに約100家族のサポートを行ってきた.まずしっかりとサポートするにあたって,正確な診断が必要である.生まれる前にわかる病気は多岐にわたるので,多くの専門家の意見が必要である.妊娠21週以前の診断であれば,悩んだ結果その出産をあきらめることもあるが,あきらめるのも苦渋の決断である.もちろん病気があってもしっかり病状を受け止め継続を決断する場合も多い.いかなる決断であっても,しっかりサポートしていく姿勢が必要である.妊娠を継続するときは,お産の時期や方法,その後の治療のタイミングなどを議論し,ご両親とチームのメンバーとで面接を行い,ときには赤ちゃんが生まれてから入るNICUの見学などを行うのもよい.
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