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文献詳細

雑誌文献

Neurological Surgery 脳神経外科43巻2号

2015年02月発行

文献概要

目は口ほどに物を言う

著者: 隈部俊宏1

所属機関: 1北里大学医学部脳神経外科

ページ範囲:P.95 - P.96

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 頭を丸めてまるで僧侶のような様相であるし,以前から「鬼軍曹」と評されて来た私であるが,子供はとことん好きである.小児悪性脳腫瘍は私の中で大きなテーマであり,手術はもちろん,末梢の血管確保・中心静脈ラインの確保/維持・さまざまな検査/照射時の鎮静まですべて行ってきた.そんなことができたのは,臨床仕事に集中させてくださった吉本高志教授・冨永悌二教授のおかげである.また一緒に働かせていただいた先輩・同僚・後輩達のおかげである.
 赤ちゃんと相対すると,必ずわれわれの目の奥をのぞき込むようにしっかりと目線を合わせる.われわれの考えていることは,彼らはおそらく一瞬にして感じ取っているはずだ.それを表現する方法は少なく,泣いている,笑っている,という程度にしかわれわれには理解できない.しかし,子供が何にもわかっていないというのはまったくの嘘だ.さまざまな処置がどう行われるか,きちんとわかっているし,どこで痛みが加えられるのか,理解している.それを説明すると,しっかりと我慢するか,その瞬間だけ,泣く.どんなに苦しいことを,何回行っていても,子供達は目線を外さない.目の奥をのぞき込む.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1251

印刷版ISSN:0301-2603

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